初台 1kを重視するポイント
最初の「平成バブル崩壊」のときには、土地を買い占め転売して大きくなった「麻布自動 車」「第一不動産」といった会社が代表的な「銘柄」でしたが、今回は「地上げ」という名称やイメージよりも、「ファンド」という色彩の強い会社が対象となったことも特徴です。
リーマンショックが不動産会社をつぶしたのか?これらの新興系ファンド会社は、今回のバブル崩壊でなぜ窮地に陥ったのでしょうか。
そもそも「対岸の火事」であったはずのリーマンショック、あるいはサブプライムローン問題といった事象が原因となって、日本国内の不動産会社が倒産するとはどういった現象なのでしょうか。
これらの会社が米国でたくさんの資産を買い漁って所有していたという話も、とんと聞きません。
マネーの大津波とどういった関係でこのような事態が引き起こされたのでしょうか。
リーマンショックやサブプライムローン問題が論じ始められたときも、リーマンブラザーズが日本国内の不動産会社に多額の債権を保有しているとは報じられませんでしたし、現実にその額はきわめて限定的で、日本の不動産マーケットをひっくり返すような金額ではありませんでした。
また、サブプライムローンが対象とするような住宅ローン債権はそもそも日本国内には存在せず、日本の住宅ローンはきわめて健全な状況にあるとの認識から、当初は序章ふたたび「危機」といわれる不動産業これらの問題が日本に直接波及するとは、考えにくかったのです。
ところが現実には日本国内の不動産会社がいくつも苦境に陥り、2008年には不動産を扱う会社としては「絶対につぶれない」とまで喧伝されていた1-REIT(不動産投資信託)であるニューシティレジデンス投資法人までが、会社更生法適用を申請する事態に発展しました。
今回のバブル崩壊は、前回の平成バブル崩壊と何が違うのか?それでは今回のバブル崩壊と前回の平成バブルの崩壊とは何が違うのでしょうか?この答えとなるのが、世界マネーの動きです。
現在世界中に、新しい投資先を求めて巨額のマネーが絶え間なく激流となって流れています。
以前はこうした運用に投じられる資金というのは、一部をのぞいては一般的に国内で運用されていました。
日本でいえば、たとえば郵貯の資金などがその典型です。
これらのマネーは国内の株式、不動産といったごく限られた運用対象にしか投資は行なわれず、国境を越えていくマネーは限定的であり、また海外から日本に投じられる運用資金も大きなものではありませんでした。
しかし現在、ではオイルマネー、資源マネーなどとネーミングされたさまざまな運用資金が、世界中で投資先を探して動き回っている状況です。
いわば世界の金融市場は、その主要な部分はほとんどリンクしてしまった状態にあります。
これらのマネーが、まだ1回目の平成バブル崩壊から日がたたない1990年代末から2000年代初期に日本に入り込み、不良債権まみれだった日本の不動産マーケットに徐々に浸透していったのです。
この経過を経て、日本の不動産マーケットは国内オンリーのマーケットではなく、世界経済の一部に組み込まれていったのです。
この当時から、外資系会社(ハゲタカと言われる人たちも含まれるのでしょう)が日本の不動産を「買い漁って」ポロ儲けをしているといった表面的な事象を問題として取り上げる報道や論調が目立っていました。
これをもう少し注意深く見ると、物件の所有という側面よりも、物件を買うためのお金、いわば「血液」の部分がどんどん「外国人化」していったことが、今回のバブルの特徴です。
生身は日本の不動産、その不動産を利用しているのも日本の会社なのに、体内を流れる血液はその多くが外国人の血になっていたとも言えるでしょう。
もはや金融の世界に、国籍などというものは存在しない時代になっていたのです。
この状況の中で、対岸の火事のはずであった世界金融危機の大津波が日本に押し寄せ、こ序章ふたたび「危機」といわれる不動産業の不動産会社をさらってしまったのは、マネーの世界では必然として起こる事態であったとも言えます。
これにひきかえ、前回のバブルの特徴はどうだったのでしょうか。
このことについてはすでに多くの書物で論じ尽くされていることでしょうから、ここでは詳細には述べませんが、平成バブルはひとえに国内マネーのゆがみ(過剰流動性)がもたらした、いわば風土病のようなものでした。
大量に供給された通貨(この場合は「円」です)が、国内の株式、不動産に大量に供給され、不動産の側面で言えば、不動産会社に限らず一般の事業法人にまで「不動産買うたら儲かりまっせ」とばかりに大量に金融機関を通じて「企業」に流されたために引き起こされたバブルでした。
ここで注目していただきたいのが、金融機関から企業に流れたという部分です。
間接金融によるマネー供給で、この資金を手に入れた企業が企業自らのリスク(担保に入れているから大丈夫と思ったのかもしれませんが)で不動産投資にのめり込んでいったという点です。
バブルが崩壊する過程や原因は、実は2つのバブルともまったく同じです。
平成バブルは日本銀行の突然の金融引き締めにより、金融という「血液」が供給停止になったための突然死であり、今回のバブル崩壊は海外からの「輸入物」である「血液」の突然の供給停止による突然死であることです。
ことの本質が金融のストップである点では同じなのですが、生じた規模と対象になったエリアの広さが、日本国内だけの問題であった前回のバブル崩壊とはまったく異なるメガトン級のものだったのです。
しかも金融という道具はこの20年ほどの間に目覚ましい進歩(これを「進歩」と称するかについてはやや疑問なところもありますが)を遂げて、複合化、複雑化してきています。
先ほど触れた日本の平成バブルのときのような単純に不動産を担保にした事業法人融資などではなく、さまざまな金融技術を駆使して、本来のお金の価値の数百倍、数千倍にも膨らませた道具として世界中に浸透していたがゆえに、その破裂による影響は世界経済全体を揺るがすものとなってしまいました。
ところが一方では、このような世界金融危機の影響は、日本においては相対的には軽微であったとも言われています。
サブプライムローン債権の保有額においては日本の金融機関は世界の上位に位置するわけではありませんでしたし、前回のバブル崩壊時のように国内の代表的な金融機関が倒産するような事態には今回はなりませんでした。
序章ふたたび「危機」といわれる不動産業。しかし、日本の不動産、株式マーケットが大きな影響を受けたのは、日本の金融機関による、いわば自主的な資金供給パイプの絞り込みだったのです。
欧米の金融機関が厳しい状況に陥ったことはその保有する不良債権の額からも明らかでしたが、日本の金融機関が欧米の金融機関に「右へならえ」して資金供給を止めたことは不思議な現象でした。
もちろん、一部では野村護券によるリーマンブラザーズのアジア部門の買収や、三菱UFJフィナンシャルグループによるモルガンスタンレー証券会社への出資など、このチャンスに「攻勢」に転じる動きはありましたが、金融機関の多くは、国内マーケットにおいてはマーケットに対する極端な悲観から、国内向け資金を一斉に引き揚げ始めました。
このことが、資金の円滑な供給を受けていた不動産や株式のマーケットに恐怖を与え、あわてて「売り逃げ」しようとするプレーヤーの動きが加速することで、さらなる価格の下落を招きました。
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